さとじがいつまでたってもテニスの試合に勝てないのには、はっきりした理由があります。
普段の練習の時、ボールの打ち合いをするのだけど、さとじの場合、相手の方にご迷惑をおかけしないように、できるだけ打ちやすい玉をお返しすることだけを、念頭において丁寧に打ち返しをしております。
いつもお相手してくれるご婦人のNさんなんかは、いつも、心の中で、「いち、にー、さん、しー」と打ち返した数をカウントしているらしく、どっちかが、ミスしてラリーが終了すると、「あー、36回続いたぁ」っていうだ。
だもんで、期待を裏切っちゃいけないので、慎重に慎重に、やさしい玉を打つわけよ。
それが、まずいことに、試合の時も、その癖がでて、相手の方が打ちやすい玉を返しちゃうだよね。
ところが、相手の方はすげぇいじわるで、そんなさとじの気持ちもお構いなしに、ばっちっと弱点の右の方へ打ち返してくるだよ。
そのたんび、激しく反省するのだけど、身についた癖ってもんは簡単に直らないもんだね。
それにしても、テニスって、どうしてこうも意地悪なスポーツかね?
だってさ、相手に取られないようなところへ、わざわざ打ってみたり、相手の弱点を見つけて、そこめがけて玉を打つだよ。
右の隅っこ狙って打ってさね。こんどは、左の隅、狙うだよね。
そうかと思うと、右の隅打ってくるもんで、あわてて右の方へダッシュして、打ち返すじゃんね。
左の方ががら空きになるもんで、当然左の隅に打ってくると思って、そっちの方へ急行するわけよ。
ところが、また、右の隅に打ってくるじゃねぇ。
急ブレーキかけてUターンしても、へぇ間に合わねぇだ。
それやられてみ、みじめだじ。
仕返ししてやらっと思って、さとじがそれをやると、敵はちゃんと見抜いていて、平気な顔して待ってましたとばかり打ち返してくるだ。
さとじの打ち方はどこへ打ってくるか分かりやすいだって。
ごおがわくじい。
玉が来る。
ヨシっ、隅っこへ、思っきり強く打ち返すぞ!
(玉がラケットに当たる寸前(時間にして0.5秒くらいかなぁ)までは決意している。)
その直後
も、もし、失敗したらどうするだぁ?どうするだぁ?
(体中にその声が駆け抜ける。)
しょ、しょうがねぇ、とりあえず、返しておこう!
ポーン
バッチッ!
この繰り返し・・。
ほんとにだめなさとじです。
(今日の朝練は雨のため中止になったので雨音聞きながら書きました。 2015/8/29記)