てっちゃのコラム 100ー

第123回 忘れ物・落とし物

20161101_112214
♪汽笛一声新橋を はや我汽車は離れたり・ピロロロン♪
ながらくのご乗車お疲れ様でした。
まもなく、終点、「あの世、あの世」に到着です。
どちら様も、お忘れ物、落し物のございませぬよう、お降りのお仕度をしてお待ちください。
最近、お忘れ物が多くなっております。網棚の上、上着掛けなど今一度お確かめくださいますようお願いいたします。
当列車は、仮に、お忘れ物があったといたしましても、お返しできないシステムになっておりますのでご承知おきください。
到着ホームはゼロ番線。お出口、右側です。
ホームと列車の間が広くなっている箇所がございます。
踏み外しますと現世に戻ってしまいますので十分ご注意ください。
到着時間は、おおむね80歳時となっておりますが、諸般の事情で、大幅に遅れたり、早まったりすることがございますので、ご了承ください。
「あの世」からのお乗換えのご案内を申しあげます。
「天国」行きは一番線。降りたホームの反対側となります。
「地獄」行きは、階段を上っていただき、六番線へお回りください。
お乗換えにあたってお願いがございます。
列車のお降りの際、切符を回収させていただいております。
良いことをしてきたと記載のある切符のお客様は「天国」行きをご利用ください。
そうではなく、悪いことばっかりしてきたお困りのお客様は「地獄」行きにご乗車していただくことになっておりますので、よろしくお願いいたします。
この件につきまして、誰がいったい、どのような基準でその判定をするのかとの質問も寄せられていますが、私共には一切知らされておりませんのでご了承ください。
また、「天国」はどういうところで、「地獄」とは一体どういうところこなのかなどにつきましても、極秘事項となっておりますこともご理解くださいますようお願い申し上げます。
この度は当列車をご利用いただき誠にありがとうございました。
またのご利用を心からお待ちしております。
ご乗車お疲れ様でございました。まもなく、終点「あの世、あの世」に到着です。
・・・な、なんだ、夢か、それにしてもやな夢をみたなぁ・(汗)。
さとじ:神様、神様、穂高神社の神様ぁ。
神様:なんだ、また、お前か、今度はなんの用だ。
さとじ:なんか変な夢を見たのですが。
神様:あの世行きの話か?
さとじ:そうですよ。もっと良い夢をお願いできませんか。
神様:お前最近、耳が遠くなったか?よく「何だって?」って聞き返すことが多くなったようだが。
さとじ:そうなんですよ。なんか「何だって?何だって?」っていうのが癖になったようで・。
神様:だからのお。地獄行の切符を手に入れないように、少しボリュームを上げて注意したのだぞ。
さとじ:そうでしたか。ありがとうございました。
神様:よいか。人生の「忘れ物」「落とし物」がないか、よく考えてみよ
さとじ:人生の「忘れ物」「落とし物」ですか?
神様:そうだそうだ。広くなってきたおでこに手を当てて「忘れ物」「落とし物」がないかよく考え、悔いのない人生を送るのじゃぞ。さらば。
(2016/10/31 記)

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