てっちゃのコラム 100ー

第128回 ここを右です

カーナビ.jpg
 カーナビの画面から、「自宅へ帰る」ってのを選択すると、たちどころにルートが設定され、走行キロと到着時間が表示された。
 東京見物も終わり、後は、このカーナビさんの指示に従っていけばお家に帰れる。
 ふんとに便利な時代になったもんだ。
 なんせ、東京なんて滅多に来ないから、首都高だの湾岸線だの訳わからないからね。
 カーナビさんにお願いするしかない。
 東京みたいな何車線もある道路を走っていて一番困るのは、右折する時。
 どういうタイミングで右の車線に移動していくかだ。
 ぼやぼやしてると、右の車線に移動できずに、その交差点まで来ちゃうと、あせるよなぁ。
 なんしろ、わたしゃ、こんなすごい道走ったことないんだから、もう少し、カーナビさんには、親切に案内していただきたい。
例えば
 ピンポーン!さとじさん、300メートル先、右折しますから、そろそろ、右の車線に移動してください。
 一番、右ですよ。あっ、うしろからトラックが来てますから、気をつけて。
 トラックが通り過ぎたら、すぐに右にハンドルを切って続いてください。
 はいはい、それでオッケーですよ。
 はい、ここを右です。
 それに、カーナビくんの一番の欠点は「詰めが甘い」こと。
 東京へ来るとき、宿を設定して来たんだけど、カーナビ君のいう通り、右行ったり左行ったり、してようやく宿の近くまできたってもんさね。
 するといきなり、唐突に言うだ。
 「まもなく目的地周辺です。運転ご苦労様でした。」
 えぇ?ここぉ?ちょっとまってよぉ、どこにあるだぁ?おいおい、どこだよぉ?
 おれがカーナビ君なら、こういうよ。
 ピンポーン!さとじさん、お疲れ様。もうすぐホテルへ到着だよ。
 慌てなくていいからね。
 ほら、左手にローソンがあるじゃん。
 そこを左に回って。ゆっくりね。そうそう。
 そしたら、右にラーメン屋さんがあるのだけど、分かるかな。
 その角を右に回るとホテルの駐車場だよ。
 駐車場は立体になってるから、その入り口まで行って止まればホテルのお姉さんが飛んでくるからね。
 はい、ご苦労様。ご苦労様。
 話がそれてしまったけど、目的地を自宅に設定して出発したってもんせ。
 ごちゃごちゃした道を走っていたら、
カーナビ君; ピンポーン!300メートル先、高速道路入口、右折です。
さとじ: おおぉ、首都高に入るだな。いよいよだな。
(緊張しながら、高速道路に入ろうと思ったら、なんと「閉鎖中」って看板に書いてあるじゃん)
さとじ:ええぇ、ダメじゃん!
カーナビ君:ここを右です。
さとじ:冗談いうなよ。閉鎖中じゃん。ったくぅ。
(仕方ないので直進するしかない。しばらくすると)
カーナビ君:300メートル先、右折です。
さとじ:おいおい、何事もなかったようにいうなよ。
今、閉鎖中だったじゃん。どうしてくれるだぁ? ったくぅ。
(どうしようもないので、カーナビ君のいうとおり右折、右折していったら、なんと、また、その閉鎖中のところで、「ここを右です」って言うわけよ。)
 カーナビ君の言う通りしてたら、一生、家に帰れないよ。
 車をその辺に止めて、カーナビをチェックしようと思ってもそれもできないので、仕方なしカーナビ君の言うこと無視して、左折してしばらく直進したら、違う入口を案内してくれて、ようやく高速道路に入ることができたわね。
 カーナビ君から、ごめんなさいの一言もありません。
 今回、カーナビ君とお付き合いして、さとじは、自分に言い聞かせました。
 さとじさぁ、お前、そんなにカーナビだけを頼りにしていく旅行って楽しいわけ?
 昔、カーナビなんてない頃はさ、地図とにらめっこ、道を間違え、助手席の方と喧嘩しながらも楽しく行ったじゃん。
 双眼鏡を片手に、前方の交差点の名前をチェックしながらさ。
 今回も、あっち行ったり、こっち行ったりしたけど、どこへ行ってきたのか、実感ある?
 やっぱ、旅行は、事前にしっかり地図を調べて、自分の羅針盤を頼りに計画して行くってもんだよ。
 さとじ、分かったぁ?ご返事は?
(2017/3/31記)

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