「過去にあった辛い出来事を思い出してしまい、それに長い間とらわれてしまう状態」のことを「トラウマ」というらしいのですが、そんな大袈裟な状態ではないものの、てっちゃは、駅の自動改札口に行くと、一種のトラウマ状態になってしまうのです。
昔々、東京へ行ったとき、自動改札口を通過することができず、何度も、バーンバーンと行き手を遮られたことがあるからです。しかも、東京へ行くたびにそういう状態になるので、いつも間にか、間違ったことをしていないのに、バーンってくるのではないかと、不安になり、鞄でガードしながら恐る恐る通過する癖がついてしまったのです。
先日、大阪へ遊びに行ったときのことです。
名古屋へ到着し、新幹線に乗り換えるため自動改札口に向かったのです。
大勢の皆様は、何の躊躇もなく、どんどん、切符を放り込んだり、なんかのカードをかざして、通り過ぎていきます。
てっちゃの番になりました。
切符は3種類あります(大阪までの切符、新幹線の切符、特急しなのの切符)、一体どれを入れたらいいの???
後に人は並んでいるし、即断しなければいけません。
新幹線の切符を入れればいいのだろう、新幹線の切符を挿入口に入れて、通り抜けようと思ったら、
『バターン!」通せんぼ!
慌てて戻って、そうか、乗車券はあるのか聞いてるんだな、乗車券を入れて、前進、
『バターン!』とうせんぼ!
そんな、馬鹿なぁ、なんでぇ。もしかして、お前ちゃんと特急で来たんだろうな、って、聞いてるかな、そんなこたぁ、ねぇと思うけど、
特急しなのの切符を入れて・・
『バターン!』とうせんぼ!
えぇぇ、なんで??
後ろのおっさま、明らかに「この田舎者め」って顔してるじゃん。
しょうがねぇので、小さい声で「すいません」って言って、列から離脱したってもんさね。
えぇぇ、なんでぇ・・・
すでに通過した家族は向こうの方で、「何やってんの。新幹線出ちゃうよ、ったくう」って顔してるし、しょうがねぇ、一番右側の、駅員のいる改札口で、切符をお見せして通していただくというみじめなてっちゃ。
すぐに、聞いたよ
「どうやって通過しただや?」
「3枚まとめて入れればいいじゃん、ったくう!」
えぇぇえ、3枚まとめて入れてもいいだぁ???
そんなことしりゃ、紙詰まりでえらいことになるじゃないだぁ。
てっちゃの頭の中は、お客様が持ち込まれた紙詰まり状態のプリンタのイメージが浮かんできました。
もし、間違って3枚入れて、紙詰まりになったら、損害賠償で500万円ぐらい取られるかもしれないじゃん。
だって、おら、知らないもん、だって、新幹線なんか前に乗ったのいつだったか、えらい昔で覚えてないし、だって、どこに書いてあるだぁ、複数枚入れても問題ないって・・、だって、だってぇ・・。
「分からなかったらさ、駅員のいるところへ素直に行けばいいじゃん」って、かーちゃんは冷ややかに言うけどさ、おれだって一応プライドってもんがあるだ。
皆さんが、すいすい、自動改札を通過してるのに、おれだけ、駅員さんにお願いするなんて恥ずかしいじゃん。
この際、てっちゃは初心者を代表しJRなど自動改札口を設置する関係機関にお願いいたします。
自動改札口には、必ず初心者専用改札口を作ってね。そこでは、親切に、利用の仕方、通過の仕方、複数枚いれても紙はつまらないことなど、ディスプレイと音声でやさしく教えてくださいな。(2019/3/31記)
