時は令和2年、新型コロナという疫病に人々は打ちのめされていた。
テレビでは連日、新たな感染者数と重症者数、そして死亡者の数が報道され、外出を控え、3密を控え、マスクをして、手を洗うことを馬鹿の一つ覚えのように訴えていた。
肝心なコロナの薬と言われるワクチンについていえば、日本は周回遅れ、外国の製薬会社に頼るしかないという、日本の実力が露呈される事態となっていた。
一方日本の政治は、退陣した首相の桜を見る会の前夜祭の費用がどうしたこうした、まったく、どうなってんの、と嘆く人であふれていた。
ところが、その割に、怒って、香港やアメリカのようなデモなどの大衆運動が勃発するわけでもなく、ただただ、大衆は大人しく、時の流れに身を任せていたのであった・・・。
そんな中、一人の老人が、なにやらつぶやきながら、徘徊していた。
「ええじゃないか、ええじゃないか、ええじゃないか・・・・・」
うん?なに?これって「日本の江戸時代末期の慶応3年(1867年)8月から12月にかけて、近畿、四国、東海地方などで発生した騒動。」Wikpediaに似てるじゃん。
矛盾だらけ、理不尽だらけの世の中に、どうしようもない気持ちを、この老人は、「ええじゃないか」という言葉を唱えることにより紛らそうというのだ。
ええじゃないかええじゃないかええじゃないか。安倍でも菅でもええじゃないかぁ、ええじゃないかええじゃなかええじゃないか。
トランプでもバイデンでもええじゃないか、そんなこたぁどうでもええじゃいか。
桜を見る会、ええじゃないか、ええじゃないかええじゃないかええじゃないか、のめのめ税金うんと飲め。ええじゃないかええじゃないかええじゃないかぁ。
もりそば、かけそば、ええじゃないか、どっちもうまいぞ、ええじゃないか、ええじゃないかええじゃないかええじゃないかぁ。
体育館、建設ええじゃないか、ええじゃないかええじゃないかええじゃないか、40億円、ええじゃないか、コロナなんかよりええじゃないか、ええじゃないかええじゃないかええじゃないか 。
国民思いのアベマスク、ええじゃないかええじゃないええじゃないか。もひとつお願いええじゃないかぁ、ええじゃないかええじゃないかええじゃないか・・・・・・・・・。
それでは、みなさま、ご一緒に、ええじゃないかええじゃいかええじゃないか、ええじゃないかええじゃいかええじゃないか・・・・。(2020/11/30記)
イラストはくろみさんの「ええじゃないかええじゃないかええじゃないか」
