穂高駅前そば、オープンして早々、店長さんが事故で入院するというまったく想定していなかった事態が発生。
これにはちょっとまいったわね。
でも、しかし、これも「神から与えられれた試練、何かきっと意味があること」と切り替えて頑張るしかないじゃんね。
1日だけ臨時休業し、次の日から、バイトのA君や当社のスタッフ、それに協力していただける生徒さんにもお願いし、試行錯誤で、なんとか、今日までやってきたました。A君には本当に感謝しています。
お蔭さまで、てっちゃひとりでも、開店から閉店まで曲がりなりにもできるようになったわね。
神様の意図もよく分かったぞ。「そんなあまい考えで店なんてできないぞ、自分でやってみろ」っていう意味だっただわ。
しかし、先日、えらい恥ずかしい思いをしたので反省の意味を込め書くので読んどくれ。
おれ、どうしても、まだ、ソフトクリームを上手にくるくるって巻けないだよ。
(生ビールは任しておいてほしいのだけど・)
A君は、ほんと上手に理想的に作るわけよ。お客様に「わー、じょうずー」なんて褒められてるだ。
なので、ひとりで店に出てて、「ソフトクリームお願いします」って言われると、ちょっと、びびるわけ。
先日の暑い日、30代の女性の方が、「バニラお願い」ってきたわけよ。しょうがないので、一生懸命作ったけど、やっぱちょっと、かっこ悪いわけよ。
おそるおそる「すみませーん。巻が下手でぇぇ」と、差し出したところ。
女性客:「・・・、なによ。これ!、ちょっと。量も少ないし、何・・。なにがすみませんなのよ。よく、こんなもんがだせるわね!」
おれ:「す、すみませーん。作り直します・・」
で、また、挑戦したけど、だめ、緊張しちゃって・
おれ:「これでどうでしょうかぁ・・」
女性客:「・・ったく、もうぅ・・」
おれ:「すみません。申し訳けありません・・・・」
しぶしぶ受け取ってくれて、外のベンチで舐めてくれていました。
おれ、きっと、まっかっかになってたと思うよ。
最近、こんなに恥ずかしいというか、みじめな思いしたことなかったね。
どう考えてもおれの態度はなってなかった。自信がなければ売るべきではなかった。
へらへら「巻が下手でごめん・・」なんて、よく恥ずかしくもなく言えたもんだ。
その夜は、自分を責めて眠れなんだいね・。
次の朝、店を開けていたら、なんと、その例のお客様が友達らしき人ふたり連れて店を遠くの方で覗いているだ。
明らかに、「この店よ。あきれた店は」って、言ってるだ。
おれ、思わず、飛び出して行って、「昨日は、大変失礼しました。申し訳ございませんでした」って相当でかい声で謝ったってもんせ。
そしたらせ、しとっきりたったら、店に入ってきて、「そばのソフトクリームお願いします」っていうじゃねぇ。
おれ、今度は言ったね。
「すみません。コーンでなくてカップでもよろしいでしょうか?」
(カップなら、そんなに上手にやらなくても、なんとかなるので)
「あっ、いいですよ。かまいません。」
やれやれ、快調にコップにぐるぐるして、それにスプーンを差してできあがりなのに、なんということでしょうか。
そのスプーンがいつもあるところにないじゃん。どうして、こう神様は意地悪をするのでしょうか。
困ってしまって、しょうがない、普通のアイスクリーム用のスプーンがあったので、それを入れて、差し出したところ、「あのー、持ち帰りたいのですが・・」
あぁ、どうして、こう穂高神社の神様は意地悪なのでしょうか?
「そ、そうですか。ちょっと、待ってください」と、やみくもに、物置場に行って探したら、
あぁ、なんて神様はいい人なんでしょう。
ちゃーんと、スプーンの袋があるじゃねぇ。うれしかったね。
すみませーん、って、持ってたら、さっきのスプーンをぺろーんと舐めてから、返してくれたわね。
ありがとうございましたぁ、って、こんどもでかい声で見送ったところ、
振り返ってその30代のお客様言いました。
「味はすごくいいのだから、がんばってくださいね」
あの30代の女性のお客様は、穂高神社が派遣した神様に間違いない。
お客様は神様です。ほんとに。